仕事で疲れて帰ってきた夜、キッチンに立つ気力がわかず、つい外食やコンビニに頼ってしまう。週末にまとめて作ると決めても、結局は面倒に感じてそのまま…ということはありませんか?
自炊は体にいいし節約にもなるとわかっていても、どうしても腰が重くなる。そんな悩みは、多くの人が日常の中で感じていることです。ここでは、自炊が面倒だと感じる理由を整理し、少しでも楽に、気軽にキッチンに立てるようになるヒントを紹介します。
自炊が続かない理由
心と体に余裕がない
料理には、準備・調理・片付けといった複数の工程が必要です。仕事や育児、勉強で一日を終えた後にそれをこなすのは、体力的にも精神的にも大きな負担になります。「自炊しなきゃ」というプレッシャーすら、気持ちを重くしてしまいます。
手間のわりに満足感が低い
食材を買いに行って、下ごしらえをして、焼いて煮て…といったプロセスを踏んでも、食べるのはあっという間。「これだけ時間と労力をかけて、こんなもんか」と感じると、次第にやる気が失われていきます。特に一人暮らしの場合、食卓を囲む相手がいないこともあり、モチベーションが続きづらいのです。
片付けが億劫
料理そのものよりも、洗い物や片付けが面倒で自炊を避けているという人も多いです。キッチンが狭い、調理器具がそろっていない、すぐにシンクがいっぱいになる――そうした環境も自炊のハードルを高くしてしまいます。
自炊を「気楽にする」工夫
完璧を目指さない
自炊というと、栄養バランスの取れた献立や手作りの一汁三菜を思い浮かべがちですが、必ずしもそうである必要はありません。たとえば、温かいごはんとレトルト味噌汁、カット野菜に市販の惣菜を加えただけでも、十分に“自炊”です。大事なのは、「自分のために何かを用意した」という行為そのものです。
決まったメニューを定番化する
毎回「今日は何を作ろう」と考えるのは意外とエネルギーを消耗します。そこで、いくつかのメニューをローテーションにして、「悩まずに作れる自炊」を目指すと楽になります。たとえば、月曜はカレー、火曜は炒飯、水曜はパスタというように、自動的にメニューが決まっていると準備も買い物も簡単になります。
洗い物を減らす工夫をする
まな板と包丁を使わずに済む冷凍野菜やカット食材、シリコンスチーマーやフライパン一つで完結するレシピなど、後片付けの負担を減らす方法はいろいろあります。食器も洗いやすい形のものにしたり、食洗機を導入したりすることで、調理後のハードルがぐっと下がります。
外食との“いい距離感”
無理にすべて自炊しなくていい
外食が悪いというわけではありません。忙しい日、疲れている日は、外食やお惣菜の力を借りてもよいのです。重要なのは、自炊と外食のバランスを自分なりに整えること。「週に3回は自炊」「昼は外食でも夜は家で食べる」など、自分に合ったルールを決めておくと、罪悪感を持たずに外食を活用できます。
外食でも“健康を意識する”
外で食べるとしても、栄養バランスを意識するだけで体への負担は軽くなります。たとえば、野菜の多い定食を選ぶ、ごはんの量を調整する、揚げ物よりも蒸し料理を選ぶなど。コンビニでも、野菜スープとおにぎりというような組み合わせにするだけで、体にやさしい食事になります。
自炊のハードルを下げるコツ
料理を「作業」ではなく「習慣」にする
歯磨きのように、「やるのが当たり前」となると、それが面倒とは感じにくくなります。最初はたとえ簡単な一品でもいいので、毎日キッチンに立つ時間を少しずつつくってみましょう。「ごはんを炊くだけ」「卵焼きを焼くだけ」といった小さな習慣の積み重ねが、次第に“当たり前”に変わっていきます。
作り置きや冷凍保存を活用する
時間があるときに少し多めに作って冷凍しておけば、忙しい日にも電子レンジで温めるだけで食事が整います。たとえば、ミートソースやそぼろ、炒め野菜などは、冷凍しておけばごはんにかけるだけで立派な一食になります。保存容器をそろえることで、見た目にも達成感が出て、自炊のモチベーションにもつながります。
自分を大切にする時間としての自炊
自炊は、単に「節約」や「健康管理」の手段ではありません。それは、自分の体と心に向き合う時間でもあります。「今日もがんばったね」と自分に声をかけるように、ごはんを用意する。自分のために火を使い、皿を用意し、一口ずつ食べるという行為が、静かに自己肯定感を育ててくれます。
うまくいかない日もあるかもしれません。でも、それでいいのです。続けようとすること、自分のために工夫しようとする気持ちが、すでに前向きな第一歩です。
自炊が面倒で外食ばかりになっている自分を責める必要はありません。その中でも少しずつ、できる範囲で、自分のペースで暮らしを整えていく。その姿勢こそが、心と体を元気にしていく力になります。
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