クレジットカードの支払いがきつい

クレジットカードは、手元に現金がなくても買い物ができるという便利なツールです。支払いを翌月に延ばせたり、分割にしたり、時にはポイントが貯まったりと、メリットも多くあります。しかしその便利さに慣れてしまうと、どこかで「今月もまた請求がきつい…」という状態に陥ってしまうことがあります。

特にリボ払いや複数のカードを使っている場合は、毎月の支払いが増えすぎて、家計に重くのしかかってくることも。そんなとき、自分を責める前にまず知っておきたいのは、「支払いがきつくなるのは、誰にでも起こりうること」だということです。

ここでは、クレジットカードの支払いが厳しくなったときにできる見直しや対応の仕方、そして再び安心して暮らすための考え方についてお話しします。

支払いが苦しくなる理由を把握する

まず最初に必要なのは、状況を冷静に整理することです。漠然と「きつい」と思っているだけでは対策が立てにくくなります。

支出の把握
何にどれだけ使っているのかを、カード明細から振り返ってみましょう。大きな買い物ではなく、小さな日常の出費が積み重なっていることが多いです。

収入とのバランス
毎月の収入に対して、支出がどれほどの割合を占めているかを確認します。固定費が高すぎるのか、それとも変動費が多いのか。全体像が見えると、優先順位をつけやすくなります。

支払方法の確認
リボ払いや分割払いを使っていないかを確認します。利息や手数料がどのくらい発生しているのか、意外と気づかないまま使い続けていることもあります。

多くの人が気軽に利用している支払い方法ですが、その仕組みを理解しておかないと、支払いが終わらない「借金スパイラル」に陥る可能性もあります。

リボ払い
毎月の支払額を一定に抑えられる一方で、利用残高が減りにくく、高い利息がかかり続けるという特徴があります。「払っても払っても終わらない」と感じる人は、リボ払いの残高が原因になっている場合が多いです。

分割払い
回数が多くなるほど、手数料も増えていきます。「少しずつ払えば大丈夫」と思っていても、実は購入額よりも多くの金額を支払うことになっていることがあります。

自動リボ設定
カードの種類によっては、初期設定で「すべてリボ払い」になっていることがあります。気づかないうちに残高が膨らんでいた…という場合は、まずここを確認してみましょう。

支払いに困ったときは、少しでも家計を軽くするための具体的な行動が必要です。

カード会社に相談する
支払いが厳しいときは、カード会社に連絡して相談することが可能です。一時的に支払日を変更してもらったり、リボから一括への変更など、柔軟な対応をしてもらえる場合があります。

借り換えを検討する
高金利のリボ残高がある場合は、銀行のフリーローンやおまとめローンで借り換えることによって、利息を大きく抑えることができます。特に金利が10％未満で借り換えできれば、負担はかなり減ります。

カードの利用を停止する
これ以上支払いが膨らまないよう、一時的にカードを使わないようにしましょう。ネットショッピングやサブスクの自動引き落としなども、カード以外の決済方法に変えることで出費の見直しになります。

カードの利用を見直すには、そもそもの生活費や金銭感覚を見直す必要があります。根本的な対処ができないと、また同じ問題に戻ってしまうからです。

固定費の見直し
通信費、保険料、サブスクなど、毎月決まって出ていくお金を見直すことから始めましょう。不要なものは解約し、見直せるものはより安いプランに切り替えます。

キャッシュフローの把握
1か月ごとの支出だけでなく、「年間で必要になる支出」も含めてスケジュールを立てましょう。たとえば車検や税金、帰省費など、年に数回の大きな支出も事前に備えておけば慌てずに済みます。

現金またはデビットカードの活用
カードの便利さから一度離れ、自分が使っている金額を体感できる手段に切り替えてみましょう。現金やデビットカードは、残高の中でしか使えないため、「今、使える金額」が常に見えるようになります。

お金の問題は、精神的にも大きなストレスになります。支払いのことで常に不安を感じたり、自分を責めてしまったりする人も少なくありません。

自分を責めすぎない
「またこんなに使ってしまった」「もっと管理できるはずだった」――そんなふうに思ってしまうこともあるかもしれません。でも、まずはここまで頑張ってきた自分を認めてあげましょう。そこから気持ちの余裕が生まれます。

無理のない改善を目指す
いきなりすべてを変えようとすると挫折してしまいます。まずは「今月だけはカードを使わない」「週に1日はお金を使わない日をつくる」など、小さなことから始めてみましょう。

誰かに相談する
1人で悩み続けると、視野が狭くなってしまいます。家族や信頼できる友人、あるいはファイナンシャルプランナーなど、話を聞いてくれる相手がいるだけで、気持ちが軽くなることもあります。

クレジットカードの支払いがきついと感じたとき、その状況を変える第一歩は、「何とかしたい」と思えたその気持ちにあります。今、この記事を読んでいるということ自体が、すでに前に進もうとしている証拠です。

これから支払いの見通しを立て、生活の優先順位を整えていく中で、無駄な出費を減らし、安心できるお金の流れをつくっていくことは、誰にでもできます。焦らず、少しずつ、生活を立て直していきましょう。

「これ以上使わないようにしよう」と思う気持ちと、「今ある分を少しでも減らしていこう」とする行動。それが、未来のお金との関係をきっと変えてくれます。